Blog, 自己理解
思い出のモノはどうする?「捨てない」から始める片づけ

目次
心を鬼にして断捨離する?
「思い出のモノが捨てられない」
片づけのお悩みの中でも、この “思い出問題” は上位に入ってきます。
わたし自身は、片づけられない側ではありますが、思い出にはあまり苦労しないタチで。
だから、このお悩みを持つ人の気持ちを、肌感覚では分かっていないんです。
そんなわたしの片づけポスト(SNS)に、こんなコメントをいただきました。
「捨てるしかないのよね……。心を鬼にして断捨離します」
「思い出が邪魔をしてますね。あの人からいただいたからとか、これは子どもと行った場所で買ったとか。写真に残してさようならするしかないのかもですね」
公の場でのテキストのラリーだったので、深くは聞けなかったのですが、わたしの中で疑問が残りました。
「ご本人にとって大切な想い出だけど、そのまま取っておけないのか……。心を鬼にしてまで捨てなきゃいけない状況なの?」
「想い出やさん」に話を聴いてみた
その疑問を抱えたまま過ごしていたら、ちょうど「想い出やさん」を名乗る知人と話す機会ができました。
彼女の家では、押入れやクローゼットが思い出のモノでぎっしり。それが原因で、モノが生活空間に溢れ出し、居室が散らかっているとのこと。
詳しく聴いてみると、彼女の頭の中には「捨てなきゃ」と「捨てられない」が、共存していました。
「捨てなきゃ」とは思っている
幼いころから、母親に「女の子のくせにだらしない」「片づけなさい」と言われて育つ。
社会人になって独り暮らしを始め、最初に帰省した3か月後に衝撃のデキゴトが。
部屋に残しておいた学生時代の想い出が、ない……。母親が見事に捨てていた。
そのときのショックがトラウマになって、想い出主義が強固になったと思っている。
今も頻繁に顔を合わせる母親からは、散らかった部屋を見るたび「女の子のくせに」という否定形が飛んでくる。
だから、捨てなきゃ、片づけなきゃ、とはいつも思っている。
実際、こんな散らかった家には人を招けない。片づけて気軽に人を呼べるようになりたい。
なのに、なかなか片づけられない
あまりにも雑然とモノが積み重なっている状況に、どこから手をつけていいか分からない。
押入れやクローゼットの前に立つだけで、ゲンナリして後ずさりしてしまう。
捨てなきゃ、片づけなきゃ。
でも体が動かない。
そんなダメな自分を否定して、また動けなくなる……
想い出のモノへの第一歩
話を聴きながら、わたしはひとつのことに気づきました。
彼女が「片づけなきゃ」と感じているものは、実は3つの別々の問題が混ざり合っていると。
・ 想い出のモノをどうするか
・ 母親対策として、部屋を整えなければ
・ 自らの願望として、人を招けるようにしたい
これをひとまとめに「片づけなきゃ」と抱えているから、どこから手をつければいいか分からなくなる。そして、動けないまま時間が過ぎていく。
だから、3つの問題をいったんバラバラに解き、「想い出のモノをどうするか」だけに向き合うことを提案してみました。
大切に保管し直す
彼女にとっての「想い出のモノ」とは、「青春にきゅんとする」「初心に立ち返る」「わが子の成長を懐かしむ」など、気持ちを上向きにする宝物。
でも実際には、それをしまってある押入れやクローゼットの前に立つと、ゲンナリ意気消沈。真逆の反応が起きてしまう。
その理由として想像するのは、2つ。
1つめは、
「整理できていないのはダメなこと。恥なこと」vs
「でも、想い出を否定したくない・されたくない」
この感情が綱引きをするから、どっと疲れる。
2つめは、
「大切にしたいモノのはずなのに、大切に扱えていない」
この現実を直視するのが、痛い。
もしそうなら……、と彼女に次の行動をお願いしてみました。
押入れの前に立つとき「捨てなきゃ」「片付けなきゃ」ではなく、「大切に保管し直すぞ」そう思ってもらえませんか。
いっそのこと「絶対捨てない。ひとつも捨てない。だって大切な想い出だもん」 と、一度完全に振り切ってみるのもアリです。
黒を白にしようとすれば、ちょうどいいグレーに落ち着くものです。
「絶対捨てちゃダメ」と決めてみると、「いやいや、ゴミ同然のものもあったから、むしろ捨てさせて」とか「さすがにコレはもういいな」という思いが自然と湧いてくるものです。
捨てることがゴールじゃない。大切なモノを、ちゃんと大切に扱うがゴールなんです。
一気にやらない。まず「ひとつだけ」
とはいえ、いきなり押入れ全部に向き合うのは、重すぎます。
知人の場合、こんなことを話してくれました。
「押入れの引き戸に段ボールが引っかかって、開け閉めするたびにストレスなんです。それを思うと萎えてしまって、押入れを開ける気になれないんです」
だったら、その段ボールから、その段ボールだけ、着手すればいい!
引っかかりが解消されるように動かすだけでもいい。
中を少し保管し直すでもいい。
そのとき、できることだけで十分。
「ゲンナリして後ずさりしてしまう空間」を、「ちょっとだけマシな空間」に変えるための、小さな一歩。それだけでいいんです。
「捨てなくていい」が、気持ちをラクにする
知人とここまで話したあと、こんな言葉が返ってきました。
「やってみます。捨てなくていいという考え方に、気持ちがラクになりました」
片づけの話だけど、捨てることはすすめなかった。それでも、前に進める気持ちになれた。
思い出のモノに困っているとき、本当に必要なのは「心を鬼にする」ことや「捨てる決断」じゃないのかもしれません。
自分にとって大切なモノは持っていていいという許可なのかも。
「思い出だけでは暮らせない」と言って、捨てることを促す場面に遭遇することもあります。
でも、たとえ思い出が生活空間を侵食してきても、それで本人が困っていないなら、それでいい。
でもそこまで行くと、知人の彼女のように困ったことが起こるもので、その困る部分だけどうにかすれば良いのでは?と、「4割しか片づけない」と決めたわたしなんかは思うのです。
この知人のその後が聴けたら、またこちらでシェアしますね。
付録┃子どもの作品やプリント、どうする?
以前、講習会でこんなご質問をいただきました。
「子どもが保育園時代に描いた絵、小学校に入ってからの作品、学習ノートや(点数の良い)テストなどを取っておいています。どんどん増えていくため、どのようにしたら良いか分かりません」
これに対する、わたしの回答をご紹介します。
「誰が、何のために取っているか」で分けてみる
a. お子さん自身が望んで取っているモノ
お子さん自身で、お子さんが管理できるスペースに保管する。
b. 親御さんが「自分自身のため」または「子どものため」と判断して取っているモノ
親御さんの管理スペースで保管する。お子さんのスペースには入れない。
そして、なんのために保管しているかを考えてみることも大切です。
・ 作品への想いをカタチとして残したいのか
・ 成長の記録として残したいのか
・ 子どものモチベーションアップにしたいのか
・ 勲章・栄光として大切にしたいのか
その目的によって
「とりあえず保管」でいいのか
「いつでも見返せるようにきれいに整える」のか変わってきます。
まず「なんのため?」を考えることが、整理の第一歩です。
・ 空間音痴の片づけ
・ 4割しか片づけないで幸せに
・ 脱・片づけコンプレックス
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